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東京税理士会で「生成AI活用セミナー」を実施! ~セミナーレポートをお届けします~

レポート

2024.09.26

リバティワーク代表の黒沼が8月28日、タワーホール舟堀において、「税理士のための生成AI活用セミナー 〜今すべき事と未来への備え〜」と題したセミナーを実施しました。会場には東京税理士会に所属されている、税理士の皆様がご参加され、黒沼の講演に傾聴してくださいました。

 今回は3時間という長丁場だったため、セミナーを2部に分けました。第1部では黒沼の自己紹介や生成AIの基礎的な内容をご説明し、休憩を挟んだ2部では、税理士に特化した生成AIの活用方法などをお話しました。当日実施したレポートの内容をご紹介します。


生成AI活用に重要なプロンプトは、新人への指示出し!?

 第一部では、「生成AIの基礎」についてご説明しました。冒頭、黒沼が「毎日生成AIを使っている方はいますか?」という質問に対し、「活用している」と挙手していただいた方はなんと0人。税理士の方には、まだまだ生成AIは浸透していない様子……。身が引き締まる思いでセミナーを開始しました。

 まず、イントロダクションとしてGoogle検索に代わるAI検索エンジン「Perplexity」についてご説明しました。これは対話型のAI検索エンジンで、自身の知りたい情報についてAIが代わりにインターネットを検索し、ユーザーに必要だと思われる情報だけを抜粋して表示してくれるというもの。Google検索を実施するよりも、情報を早く引き出すことが可能です。当日は弊社について検索しどういった企業なのかをご紹介しました。

 次に、ニュース映像風の自己紹介を交えたデモ映像をお見せしました。生成AIで作成された、この映像を見た参加者の皆様からは驚きの顔が窺えました。※デモ映像は以下にご用意をしています。

画像と音声を用意し適切なツールを利用出来れば、簡単にこれだけの映像を作ることができます

 ChatGPTについて、実例を交えながら使い方も説明しました。複数のURLを読み込ませ、生成AIがどのようにそれらの情報を収集し要約するのかを、実際の画面をお見せしつつ解説しました。

 ほかに、AIスライド作成サービス「Gamma」も紹介。必要な情報を入力すれば、生成AIが自動でプレゼン資料を作ってくれます。このプロダクトの大きな特徴は、画像も生成AIが作成してくれるところ。ユーザーは「Gamma」で作った資料をパワーポイントに落とし込めば、修正は必要ですが、従来1週間程度かかっていた資料作りをものの数時間で作ることが可能になります。

 さらにAIの活用分野、導入メリット、生成AIの普及率、AIと生成AIの違い、そして、ChatGPTの概要や歴史、できることなど「AIの基礎知識」を1時間いっぱいお話させていただきました。特に、 ChatGPTについては、「文章作成」だけでなく「アイデア生成」「壁打ち」などについて、税理士の普段の業務内容に活用できる内容に合わせてご紹介しました。

 ChatGPTを利用しても業務効率が向上しない理由について、あるアンケート結果をみると「適切な回答が得られない」「応答の品質や正確性に不満がある」などの回答が多くあげられています。しかし、これらの課題はプロンプトを理解すれば解決できます。

 本講演でも、「プロンプト=新人への指示出し」とイメージしていただき、プロンプトの意義やどういう点を意識すればいいのか(具体的な指示、追加質問)について解説しました。


生成AIは魔法の杖ではない

 第2部では、1部の内容を踏まえつつ、より実務に特化した内容をご説明しました。税理士の業務において、生成AIの効率的な活用方法について実例を交えながら解説しました。

 2部の冒頭で、黒沼は参加者の方に「生成AIは魔法の杖ではない」ということを強調して話をさせていただきました。生成AIはあくまでツールとして、「何ができるのか、何ができないのか」を理解することが必要です。

 例えば、「データを基にアイデアを考える」「資料に入れる画像が欲しい」は、生成AIでできます。一方「電子端末に手書きをしたい」「紙の内容をデータ化したい(OCR)」ということはできません。そのため、生成AIを導入・活用する前に、自社で「何が課題で、何を解決したいのか」を洗い出ししてから、導入を考える方がいいと思います。例えば、先ほどのOCRがやりたいのであれば、生成AIの導入前にOCRができるデジタルツールの導入を優先させる方がいいでしょう。

 次に、ChatGPTを活用するにあたって、注意点も解説させていただきました。特にハルシネーションと呼ばれる事実に基づかない情報を生成する現象についてもお話しています。本講演では、ハルシネーションをなるべく起こさないために「性能の良いモデルを利用する」「内容を全て鵜呑みにしない」「適切な質問・追加情報を記載したプロンプトを作成する」などがポイントだとお伝えしました。

 また、ChatGPTは「学習する」という特性があるため、機密性の高い情報を入力すると情報漏洩の危険性があり、企業内で活用するには注意する必要があります。そのため、法人の利用に関しては、「社内ルールを決める(ガイドラインの策定)」「学習しない製品やライセンスを利用する」などの対応策を実施することが重要だと考えます。そこで、法人利用では、Azure OpenAI Serviceを利用している企業が増えています。これは、Microsoftが提供するクラウド「Microsoft Azure」で構築する閉域環境内で、セキュアに生成AIが活用できるからです。すでに、2300社以上の日本企業でAzure OpenAI Serviceは利用されています。

 ただ、これらはインフラ環境の構築費用やサーバー契約料などコストがかかりすぎるため導入は大企業ばかり。中小企業の皆様には、Azure OpenAI Serviceを利用したSaaS製品をお勧めしました。これらの製品であれば、毎月の契約料をお支払いするだけで利用できます。さらに小規模な事業者様であれば、 ChatGPTの有償版で、学習しない法人向けのライセンスもあるので、それを活用するのもいいでしょう。


税理士にとって生成AIの有効活用方法とは?

 最後に、税理士の生成AIの有効な活用方法についてご紹介しました。まず、税理業務では「仕分けのチェック」「財務レポート作成」「財務状況の予測や解析」「財務申告書類の作成」「会計データのチェック」などが挙げられますが、これらはシステム化されており、セキュリティ難度も高いため、ChatGPTで業務を代替する必要はないと考えます。

 では、どこで活用するのか。

 講演では「生成AIは専門性の代替でなく、できないことへの知識拡張を意識して利用すること」がポイントだと説明させていただきました。具体的には、営業・マーケティング(集客施策への活用、販促活動の強化)、社内教育(経理知識の共有と教育、顧客ロープレ)、業務改善(問い合わせ対応、関数やマクロのサポート)などで活用していただくことが有効です。

 また、生成AIは今後ビジネスマナーになっていくと考えられます。そうなった際に、「生成AIの知見があり、人間性やコミュニケーション能力が高い人材」が将来的に求められる税理士になっていくと思います。

上記の活用方法に関しては、現在、弊社で税理士特化型の生成AI導入支援サービスを作成中ですので、ご関心のある方がいましたらお問い合わせください。詳細などをご説明させていただきます。

今回の講演は3時間という長丁場でしたが、参加者の皆様は一様に熱心に聞いていただけました。終了後も、黒沼に直接質問を投げかけてくださる税理士も多く見受けられ、関心の高さが窺えました。  今後も、生成AIの導入・活用が日本企業で増えるように活動を続けてまいります。

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